小熊英二氏

小熊英二氏の基礎からわかる論文の書き方 (講談社現代新書)が朝日新聞の読書欄で紹介されていた。まあこの本自体にどうのということもないのですが、実は買おうと思ってやめてました。

小熊氏といえば分厚い本を何冊もかかれています。

もともとは編集者であった方だと読んだことがあります。たしかにいろいろと物知りな方だなあと思いますが、読んでいて立花隆さんの系譜の、どちらかというと過去にあった記事などを調べて書かれる方だという印象でした。ので、厚い本だけど中身は薄いと思ってました。ところで最近小熊氏の本を読んで、1969年ごろの闘争について、ツイートされるかたがいるようです。いわく、当時の学生は親が金持ちで、お金に困らないからやってたが、就職などになるとさっさと抜けた、というようなことがいわれ、きわめて否定的であるようです。あと、警察官の殉死者がたくさん出て、それを裕福な家庭の子弟の学生たちが殺したような書き方もされているようです。(ツイートひろいよみのため、どこまでが小熊氏の著作に書かれているのかまでは確認してません)

ということなのですが、まずは、アマゾンの書評で彼の本をみると、取り上げられているひとりのかたは痛烈な抗議をしています。小熊氏はこれには何かの形で答えてのかはわかりません。ほかの書評を読むと、当事者たちの発言は客観性に欠けるので、第三者の記述を拾っている小熊氏の本は信頼できる、ということのようです。しかし、歴史をみれば、例えば現在の新聞でエリザベス女王について書いてあることは当然ながらポジティブなことが中心で、特に日本のテレビなどではポジティブなことしか報道されていないので、それをもって彼女の治世の評価をしたら間違うでしょう。ちなみにBBCでは国葬の付近で反対している人も取材していました。日本のテレビは今月末どうなんでしょう、、、、

ということで話はそれましたが、書籍で完全な中立などはないので、アマゾンの読者のみなさんの書評も要は小熊ファンの仲間褒めのようなものなのでしょう。こういったことから舞い上がって書かれたのが今回の論文の書き方だとするとぐっときます。

いわば、60年代の学園闘争に参加した人たちの生の声抜きで(もちろんそれを絶対化する必要はないです。彼らの中でもお互いの記憶が違っていることもあるだろうし、それは吟味の必要があると思います)どういった背景の本なのかなどあまりこだわらずに書いてしまう(もちろん某さんの発言と違い、日本共産党は学園闘争での暴力に反対してましたので、その影響もあり、進歩はといわれる人たちの記述だから正しいというものでもないと思われます)。そういう人が書いた論文の書き方は問題があるんだろうなあと思ってます。

ですが世の中では結構絶賛されているようなのでまあそれはそれかなと。