経済での政府の役割とは

3月29日朝日新聞朝刊に賃上げについての3人のコメントがあった。

(耕論)賃上げ、今後も続く? 安河内賢弘さん、小峰隆夫さん、荻原博子さん:朝日新聞デジタル

小峰氏と荻原氏のお話は納得がいった。

特に小峰氏の”賃上げは打ち出の小づちではない”というある意味当たり前の話はなぜ当たり前にならないのか不思議だ。

また、萩原氏の”日本は二極化していて、貧困層はお金を使えない”という話もそのとおりだ。

そもそもが経済を活性化するために政府が行えることは限られていて、労使交渉への介入などできるはずもない。できるとしたら、ある分野への予算投入による活性化、税金負担を軽減するような政策や日銀による為替の介入、キャッシュの市場流出などだろう。なんだか岸田氏の話を聞いていると、40代50代はどんどんリスキリングとかのことばで切り捨てられて別の仕事への転換を図らされるよう聞いた。ここで儲かるのはまた派遣会社だ。全く恐ろしい話だ。そんなことをやっていたら、萩原氏のいう二極化はもっと進んでいくだろう。そんな社会でイノベーションをやろうという人間が出てくるだろうか。今もイノベーションをやっても、結局大企業の下請けになってしまう。そういう時代にプロジェクトXを復活させるNHKはどうなんだということだ。これは密接につながっていることで、このようなことをしてイノベーションを奨励しないと日本ではとてもやるひとは出てこないということだと思う。

でも4月にやるJ-PHONEよりも、実はPHSのようなものの方がずっと大きなイノベーションだったはずだった。それはつぶされた。結局そういう構造がある以上、日本ではイノベーションをやったとしても、政策的に広がっていかないということになるしかないということだ。5Gでマイクロセルとか言っているのはPHSだったら同じようなことがもっと安価にできたのではないかという気がしてしょうがないのですが、、、

だいたいがよくないのはマスコミで、昨日の岸田首相の記者会見を見ていても、なんだか記者の質問が全くお調子者的な感じで自民党の国会質疑かとおもったほど。これでいいのだろうか?

一方は立憲は立憲で”キックバック問題で予算の審議に十分な時間をさけなかった”といっていたが予算委員会をショー化してたのはお前たちだといいたい。キックバック問題はマスコミがどんどん盛り上げていけばいいだけなのだ。こういった問題はどんどん国会の外でやって、最後に国会で扱えばいいのだ。国会ではもっと予算についてやってほしかった。

与野党とも国会の場をショー化してしまい、そして、それを国民がバラエティーで見るという状況は本当によろしくないと思う。やはりメディアはもっと独自の調査をして、ジャーナリズムとしての使命感をもって報道してほしい。日本のジャーナリズムはあたかも政府の正式発表だけが”事実”と思い込んでいるようで、恐ろしさすら感じる。