朝日新聞3月20日の記事について(2)

朝日新聞3月20日自衛隊幹部の靖国神社参拝についての記事で斎藤小百合氏の意見について違和感を述べた。

ひとつ思ったのは斎藤氏が旧体制というとき、日本国憲法によって、日本には革命が起こったとでも考えているのではないかということだ。たしかに日本国憲法の制定過程をめぐっては、宮沢俊義氏の8月革命説というのが有力だと昔習った気がする。しかしこれは学者の中で確定した意見でもないように説明されたと思う(他の、国際法の優越や特別法の優越とかのひとつとして説明があったかなあ)

ということで仮に8月革命説をとったとしてもそれをもって旧体制とまでいうひとはどこまでいるのだろうか?

また、押し付け憲法論をとるひとがいうところの天皇の立場や軍隊の放棄などは体制ともあまり関係ないような気がしている。

法学者というのは法ですべて解決すると考える傾向があるような気がするが、実際に歴史をみれば、文民の政治に不満をもったひとが武力をもって戦った結果軍隊が政権をとったりもしているわけで、必ずしも軍隊だけがうきあがって民衆を制圧できるわけではない。このような政治に不満を煽る人たちは、逆に暴力的にでも自分たちが信じる”正しさ”を目指しているような気がしてあまりいい気がしないのである。特に斎藤氏がミッション系の大学で教えているようなので、そういった信念と信仰が結びつくのはあまりいい結果を招かないように思う。(もちろんキリスト者であっても立派な法学者はたくさんいるのであって、斎藤氏のようなラフな議論をしていると思われる人についていっています。その点誤解がある表現であればお詫びします)