野口悠紀雄氏について思うこと

野口悠紀雄氏の投稿がよくX(旧Twitter)に流れてくる。

おっしゃっていることはごもっともと思うことも多い。

しかし、なぜ野口氏の言説はもっと影響を持たなかったのだろうか?不思議だ。

2010年代の野口氏は今よりずっと現役に近かったし影響力もあったと思う。なぜそれが無視されたのか。小生の中でもどちらかというと野口氏はすでに起こったことに対してのコメンテーター的な感じで、政策提言的なことがあまりなかったように感じている。

逆にいうと、官僚エコノミストというのがそういうものだということなのかもしれない。今でいえば中野氏などもそういう感じを受けるが、官僚というのは、結果にはコミットしない人たちだ。なので、例えば昔の田中角栄のようなグランドデザインの下で何か計画することはできても、ぽんとアベノミクスのようなことを言われたときに、その結果にはコミットせずに、とにかく政策遂行のために走ってしまうということか。

どんな無理なことを言われても、そこに理由や言い訳をくっつけるのが官僚、という印象すらある。

繰り返すが、今野口氏がいっていることについて小生はほとんどそのとおりだと思う。本当にそれが影響を持たなかったことが今の日本の惨状につながっていると思うし、そもそもがアベノミクスの結果が惨状ではないという経済学者や官僚が力を持っている、ということ自体が大きな問題だと思う。

そのひとつとして2012年ごろ言われていたと思う、トリクルダウン理論で、とにかくトヨタをもうけさせればすそ野が広いから日本全体にその利益が波及する、というようなものが中小企業の賃金上昇に全くつながらなかったくらいは経済学者は認めてほしいのですが。それが、価格は市場が決めるものだから、消費者が安いものを選好することがメーカーや販売店の価格を転嫁することを妨げたみたいなわけのわからないことを言いそうな東大某教授のようなひとが堂々とそれこそ東大にいること自体がどうなんだろうと思ってしまうのですけど。