日本の職種別の賃金格差について

野口悠紀雄教授が日本は職種間の賃金の差が小さいことをいっているようだ。

(会員限定のサイトのようなので内容の詳細は見てません)

ということで、これまでさんざん自分では賃金は労働市場で決まるものだと思ってきたが、日本で職種間の賃金が低いということは、確かに市場原理ではないということなんだろう。

イノベーションを起こしても日本で利益をあげようがない、というのは確かかもしれない。なぜかというと、競争力の名のもとに、例えばある技術があったとしても、それを高い値付けで売ることは日本では難しいのでは?ということだ。その技術を買った側が市場に売るときは非常に高い値段をつけることができるかもしれない、そうなると、利益は資本の力でイノベーションを買っている企業側にあることになって、イノベーションを行う側にはいかない。

これでは確かに付加価値が本来高く金額的にも評価されないといけない仕事が、実際よりも低く評価された値付けしかされないことになってしまう。

ということでそれではイノベーションを起こすような企業を起業しようなどというインセンティブはないのが当然だろう。

NHKなどでさんざんいっている、賃金が企業で利益が上がったところで経営者が挙げてやる、という理論が日本では正しいのかもしれない。しかし、そのことが職種間の賃金の格差の小ささを前提として、労働市場での賃金の決定ではなくしていることで、いわば本来は需要が高い市場に低いところから移行しないという問題があることはあるのだが、その点ぜひとも経済学者の皆さんには説明してほしいところです。

ちなみに一般の話ではないけれど、大谷選手の活躍を見ていると、彼にお金が投下されるのは当然で、以前はチームスポーツで差が出るのはどうなんだという意見もあったかもしれないが、Tシャツなどのグッズやインスタのフォロワーや、彼が着用する服のメディアでの露出(奥さんも含めてだなあ!)を見ていると、彼が作り出すお金というのは単なる野球をチームでやってその勝利に貢献しているということを完全に抜けている、むしろ大谷氏というGoodsがあって、その付加価値として、いろいろあるうちのひとつが野球の選手ということかと誤解するくらいだ。(実際お金の面で見るとそうなのか?)ということで、野球というスポーツでも日本と米国の市場理論はずいぶんさがあるなあという印象を特に最近持ってしまっている。