野田秀樹さんの記者会見の日刊スポーツはフェアなのか?

野田秀樹氏の見解はフェアだった…「演劇は不要不急」「独りよがりジャニーズ批判」共通の危うさ - 舞台雑話 - 芸能コラム : 日刊スポーツ

という記事が日刊スポーツに出ていた。

書いた人は野田氏が記者会見の質問を一蹴と書いているが、中をみると、そうでもないようだ。例えば別の記事を見てみよう。

野田秀樹氏 ジャニーズ事務所の所属タレント舞台に起用せず「スケジュールがひどすぎて」(スポニチ) | 毎日新聞

スケジュールや抱き合わせのことがかいてある。日刊スポーツにもスケジュールのことは書いてある。よく読むと、婉曲的には野田氏は自分のやり方であるワークショップなどをすることはできないので起用してこなかったといっているわけで、日刊スポーツの”一蹴”という表現はこれを書いたひとの主観のように見えます。個人としては鼻のある人もいて起用もしたいけど、事務所の方針によってそれはできなかったといっているわけですよね。また、その華のあるひとだけではなく、別の人も起用することが条件と。それを言われたらやはり演出家、舞台制作者はやはり妥協になるのではないでしょうか。もうなくなってしまった蜷川幸雄さんなどがそういったところをどうクリアしてきたのかはわかりませんが、歴史的にいって、蜷川氏の起用はかなり前の話なので、ここ10年ということではないことは留保して聞く話かと思います。

なにか質問者に対する一物があるのでしょう。舞台関係の記者会見に社会的な問題を持ち込んだことへの非難かもしれません。

このような伝え方で記者の主観を書くこと、見出しにまで入れることはちょっと”フェア”ではないように見えました。

野田氏の否定はあくまでも”部分否定”で部分否定を一蹴という表現をするかどうかは別ですね。どうなんでしょうか。

それにしても演劇もテレビドラマと同じ調子で日程を取らずにできると思っている、そこにはあきらかに”不要不急”とした政権と同じ目線があるような気がします。そういう意味ではそもそもが日刊スポーツの書いている質問者の要約が正しいのかすらわかりませんが、すくなくとも演劇というものを大切には考えていなくて、人気者を出して集客できれば制作者などはいいんだろう、というような芸能を軽視する人の供給業のような思考を感じるのですがどうでしょうか。野田氏の発言はそういったことも含んでいるのであって、事務所のやりかたからして必然的にそういうことになるということをいっているのでは?という意味では日刊スポーツの記者は言葉の奥もよまないような舞台芸術担当ということなのか、それとも、質問した人への憤りがそれほど強いものだったのか。