NHKスペシャル アナウンサーたちの戦争(8月14日)をみて

一見良心的な番組に見える。

しかし、中身はどうしようもない感じであった。それは製作者の安易さなどが原因だと思われる。

また、NHKという組織自体への反省もなく、むしろ、美化しかしていない。とんでもない番組だ。

特にひどいと思ったのが最後の終わり方だ。戦後はNHKは今度はGHQの方針で、やはり検閲を受けていたはずなのに、そこはすっ飛ばされた。ドラマにも登場していた和田アナウンサーはWIKIによれば検閲の協力者であったりもしたらしい。また、志村氏はかなり戦後体調が悪かったがメンタルの不調ということであったらしい。そのようなところは全く抜きであった。逆に戦後はあかるい社会の中でアナウンサーが活躍した、という結末だ。今のNHKはどうなの?という反省は全くない。これ自体が戦後日本なの?

みていて悲しくなるようなドラマであった。

例えば女子のワールドカップ、オリンピック、高校野球などではいまだに戦時中と同じような”勇ましい”表現が多用されている。それは最近むしろ激しくなってインフレ気味とすら言えるような激しさを感じる。(関係ないがドラマのなかでスポーツ選手が多用する”正直怖いです”だか”正直死にたくないです”だかで”正直”が使われていたが、これは戦時中も学生が使っていたのだろうか?大きな疑問。脚本もいい加減な感じがした。というよりは今のスポーツ選手のことばにひっぱられてるのだろう。それだけ今のスポーツ選手のことばはインフレ気味ということだ。MLBNBAのインタビューと比べても日本のスポーツ選手の発言は事実を話すより”元気をみている人に与える”ような”気持ちの発露”発言が多い)

それでいいの?という反省はどこにもない。脚本家にももし良心があればもう少し書き込めるところはあったと思うがまあプロジューサーがダメなんだろう。

本当にダメさを感じさせるドラマで公共放送の名に値しないドラマであった。