今週の本棚:大竹文雄・評 『少人数学級の経済学』=北條雅一・著 | 毎日新聞

このような本が出たらしい。

検索だけだがこのひとも、中室某と同じく日本経済学会日本教社会学会に所属していたりはするが、WEBサイトを見る限りはそういった学会での発表はないようだ。で一応レビュー付きの論文を出しているのは英文でそれは悪いことではないが、一番関係しそうなのは

Masakazu Hojo, Wataru Senoh
Japan and The World Economy 52 100965 2019年9月
これだが、このジャーナルは日本人がチーフエディターで英文で出されているとはいえどの程度の人が読むものなのかはわからないし、主に公共政策を扱うようだ。
大竹氏が書評を行っているが、そもそも著者は大阪大学で学位をとっている、というひとだ。なんだかである。
という前置きは別にして、そもそも少人数学級の定義は確かに35人は40人と比較すると少人数だ。しかし、わたしが以前読んだ米国の研究は10人台にしたら効果がなかった、という話だったので、同じ少人数ということでもスタートの人数も違えば実験した人数も違う。まあ絶対的に35人が少人数だというのは無理があるのではないだろうか。例えば塾を考えてほしい。補習塾で35人詰め込めばおそらくそんな塾にだれもいかないだろう。テストだけやって、答えを言えばいいような優秀な子供を集めた塾であれば、競争原理が働くのでそういった塾も歓迎されるかもしれないが、それは競争が行われるというだけの話である。というようなことは容易に予想されるのだが、経済学の人たちは、じゃあ35人の補習塾やってみろ、みたいなことは絶対言わない。彼らが言うのは、公教育のクラスの人数である。でもって、おそらくはクラスは大きくても塾の費用を補助したほうが全体としては経済的みたいなことを言うつもりかもしれない(そんな論考は見たことがないが)。しかし、そんなことは無駄で、本来はクラスの人数を最初から少人数にする、理解度別のクラス分けをする、などすればよいだけの話だ。
まだこの本を読んだわけではなく書評だけだが、外形的にそんなことを思いました。