値上げの秋というけれど

値上げが相次いでいます。

一応いろいろと理由はついていますが、外国をみていると、逆にいままでの円安はなんで吸収していたのかなぞもあります。

アベノミクスではトリクル理論?というのが当初言われてました。大企業の余力をつければそれが中小に波及して日本は豊かになるという話でした。

しかし、円安で確かに輸出産業は潤ったようですが、一方自動車会社は鋼材をたたいたりしたことが日本を代表する鉄鋼メーカーと自動車メーカーの間の軋轢を生んだというはなしもありました。また、輸入食材のお店などではあまり値上げは行われていませんでしたが、単純な話コーヒー豆にしても加工の輸入のお菓子などにしても、円が安くなればモノは高くなるはずで、それが同じ値段で売れるというのは、日本国内のさまざまなコストを切り下げたからでしょう。なので、同じ価格であったこれまでの10年近く、完全に日本の賃金は上昇しない状態だったのは当たり前ですねえ。それがマスコミに騒がれていなかったのは、アベノミクスのマジックなのでしょう。またはマスコミが相手にしている大手の電力会社などは、好き放題円安でコストが上がれば転嫁できたからそれが当たり前と思っていたのでしょうか、、、

某洋酒メーカーの社長は内部留保はたくさんあって経営努力の成果、みたいなことを言ったらしいですが、その会社も原料は輸入ですし、製品も輸入してます。アベノミクス以降の円安をどう乗り切っていたのか興味深いところです。もちろん間に例えばヨーグルトが500mLから400mlに変わったとかそういった話はありましたが、ここまで大騒ぎされてきませんでした。

外国で通貨安が嫌われるのはそれが物価の上昇につながるからでしょう。日本はそこを抑えたので政権の指示につながりました。しかし、そのようなことがどれだけ日本の給与所得者や自営業者に影響したか、ぜひとも分析してほしいものです。

自由主義経済のもとでは、通貨の下落は輸入するモノの価格上昇につながるはずが繋げなかった、なので、通貨は市場に流出してこず、いつまでも日銀も引き締めにかかれない、というとんでもない経済運営が行われてきたということではないのでしょうか。