辻信一氏または高橋源一郎さんへの疑問(読書)

弱さの思想という本があります。

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別にこの本の宣伝をしようというわけではありません。

この中で高橋源一郎氏と辻氏は自らの学生時代の話を書いています。それを読むと高橋氏はかなり詳細に語っているのですが、辻氏の話は当時学生運動でたまたま運悪く捕まった程度の話にしか読めません。

しかし、2012年には周知の事実だったらしいですが、辻氏は本名は大岩といい某セクトの中心的な活動家であったようです。このひとはこの本でもそうですが、昨年出た「

彼は早稲田で死んだ」(槌田毅著)という本を読むとなおさらのこと、”その事件”について聞かれているのに、記憶がないという話ばかり。とても本当とは思えない感じです。

この「弱さの思想」という本には鶴見俊輔氏とのことも書いてありますが、なんですかね。おそらくこの人が鶴見俊輔にお世話になったのはおそらく大学の就職などもあったんじゃないですか。そういうことは書かないと。また、高橋氏も同じ大学にいればおそらくはきこえてくるだろうことをあえて本人には問わないと。

なんだかがっかりな本です。鶴見俊輔さんについては、たまたまですが、佐藤文隆氏の本で、親戚の人事を頼んでみたり、津野海太郎さんの本では武谷三男氏との”友情”を披露してみたり、黒川創さんの伝記のなかでの、鶴見氏自身自伝的に語ることがどこまで本当なのやらみたいなことまでなんだか死後急速にメッキがはがれてきたように思います。ということで辻氏は今後やはり彼が日本の大学時代に行ったことを総括するまでは、彼の思想を称揚する人もまた、彼と同じ穴のムジナとみなすことにしましょう。悪いけどそれを問わなかった高橋源一郎氏にも落胆です。